“Be the change that you wish to see in the world.”

これは、インド独立の父と呼ばれる市民活動家マハトマ・ガンジーの言葉。日本語に訳すと「世の中に変化を求めるなら、あなた自身がその変化そのものに成りなさい」という意味です。

訳文ではありきたりにも聞こえるこの言葉、私が好きな一番の理由は、原文の言葉選びにあります。

一般的な英語では「変化を起こす」はMake the changeと表現し、物事を客観的な立場から見つめ変化を加えるというような意味が含まれます。これに対しガンジーは「成る」や「在る」という意味を持ったBeという単語を選んでいます。文章の初めに置かれたこの短い言葉から、自らが体現することへの拘りが読み取れます。さらに私は、一人の人間の強い意志と行動が、人種や宗教、貧困、飢饉、独立など様々な社会課題が渦巻く当時のインドという国を変えるきっかけになった歴史とも相まって、自分の人生を他者に委ねることへの危機感やその根底にある強い信念を感じるのです。

今、日本は世界で最も人口減少と高齢化が進んだ国と言われています。

世界中で他のどの国も直面したことのない社会課題を目の当たりにし、これからも新たな問題がどんどん生まれてくることが予想されています。私たちは、その最先端ともいえる日本の地方で、地域の担い手が減るなか、これまで以上に「個」の責任が重要視されていることを直に感じながら暮らしています。

ガンジーが国中を歩き人々を導いた時代とは背景も環境も違いますが、近い将来に人口規模がもっと縮小しても、私たちの子どもや孫が豊かな資源を活かしこの地域を住み継ぐという選択肢を残したい。そのために、この地で暮らすことを選んだ私たちが何を成すべきか、そしてどう在りたいかを実践することに決めました。個々の暮らしの中でも、地域での活動の中でも、この会社の役割としても。

 

2018年4月

中川フェテレウォルク(ミミ)

一般社団法人Be 代表理事

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